引受け基準の主要規定 |
引受け基準の従属規定 |
1.気象・海象の制限
気象・海象が操船に不適当な次の状況にあるときは、その間の業務を見合わせる。
1)風速が15m/s以上の強風のとき。
2)視程が1,000m以下の視界制限状態のとき。 |
1) |
左記事項は、その時の天候・気象警報の有無、風向、係留場所その他船舶の種類、喫水、先導船の有無、使用曳船の隻数・馬力等により変更することがある。 |
2) |
水路、係留施設又は夜間照明装置等の不備や異常のため操船に危険があると思われる場合は、その回復又は整備が終わるまで、これに制約される業務は見合わせる。 |
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2.本船喫水の制限
本船の喫水に対する余裕水深は、下記の基準による。
1) |
入出港水路において:喫水の10%以上を確保する。 |
2) |
係留場所において:
- 喫水9m未満の船舶については50cm以上を確保する。
- 喫水9m以上14m未満の船舶については、喫水の8%以上を確保する。
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又、入出港可能最大喫水は、潮高を利用して上記1)
2)項以上の余裕水深がある場合に限り、海図又は港湾局測深図の水深までとする。 |
1) |
左記の最大可能喫水を超える船舶の入出港については、その喫水及び
入出港の必要性等の申出を受けて、東京海上保安部、東京港管理事務所及び東京水先人会により潮汐・入出港時刻・気象・海象・荷役能力等を考慮して、水先引受けの可否を決定する。 |
2) |
15号地木材ふ頭及び13号地お台場ふ頭に係わる暫定措置(参考)
(1) |
15号地木材ふ頭の入港可能最大喫水 11.50m |
(2) |
13号地お台場ふ頭の入港可能最大喫水
10.30m |
但し、関係先に意見書、確約書の提出を要する。 |
3) |
港内水深は河口港のため変化甚だしい故、[II]「バース別水先業務引受けの制限」により難いことがある。 |
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3.引受け時間の制限
別紙「航路入出航時間帯基準」の規定時間内において、船種別に次のとおりとする。
1) |
在来一般船
港則法第6条(夜間入港の制限)の削除に伴い、平成17年11月1日から入港、出港とも24時間常時可能とする(ドルフィンバース、係船浮標を除く)。
(『在来船の夜間入港について』東水技第2006−02号、平成18年3月13日付参照) |
2) |
コンテナ船
入港、出港とも24時間常時可能で制限なし。 |
3) |
客船、軍艦等の特種船
入港、出港とも前広に、その都度関係者と打合わせ検討の上決定する。 |
4) |
転錨船
(1) |
各種船舶の入港時の基準による。(平成4年5月29日付改訂) |
(2) |
通称第2航路の通航船舶(東行のみ)
第2航路を東行してお台場ふ頭方面に転錨する船舶については、ラッシュ
時を除き、第2航路通航の水先業務を引受ける。(平成12年6月改訂) |
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1) |
在来一般船の出港時間制限
(1) |
月島水産ふ頭、晴海桟橋、芝浦岸壁→常時可能 |
(2) |
品川ふ頭(貨物船バース)、大井水産・食品ふ頭 →常時可能 |
(3) |
13号地お台場ふ頭、15号地木材ふ頭、中防ばら物ふ頭 →常時可能 |
(4) |
木材投下泊地 →日没 |
(5) |
ドルフィンバース →2000時 |
(6) |
その他バースについては[II]「バース別水先業務引受けの制限」を参照とすること。 |
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2) |
コンテナ船の夜間入港については、東京海上保安部の「夜間入港許可基準」及び「大井コンテナふ頭における火薬類積載コンテナ船の夜間入港許可基準」を参照。(平成元年3月3日付、東保航第30-3号)及び(平成8年12月5日付、京浜港長)
第2航路を東行する船舶は、事前に東京海上保安部(管制室)の了解を取付けること。又、500屯以上の船舶がお台場ふ頭、木材ふ頭等から青海コンテナふ頭、品川ふ頭、晴海桟橋方面に転錨する場合は、東航路経由で出港し西航路から再入港する。
(平成9年6月改訂) |
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4.橋桁下を通航する船舶の高さの制限
1)レインボーブリッジ
橋桁下から船体構造物までのクリアランス(余裕高)は、原則として2.00m以上とする。従ってエアドラフト(水面から船体構造物最先端までの高さ)は、
50.40m(52.40m−2.00m)マイナス通過時の潮高を限度とする。
但し、当面橋桁下空間52m(略最高高潮面のとき)の確保が可能な橋中央部付近(マークがある)の幅250mの間を航行する船舶のエアドラフトは、
52.40m(=54.40−2.00)マイナス通過時の潮高を限度とする。
(平成4年5月29日制定、平成13年6月改訂)
2)東京ゲートブリッジ
橋桁下から船体構造物までのクリアランス(余裕高)は、原則として2.00m以上とする。従ってエアドラフト(水面から船体構造物最先端までの高さ)は、
52.60m(54.60m−2.00m)マイナス通過時の潮高を限度とする。
(平成23年5月15日制定)
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1) |
クリアランスが4.00m以下となる船舶は、クリアランスとエアドラフトを計算した計算書を当水先人会に提出すること。 |
2) |
クリアランス、気象・海象等につき更に検討を要する場合は、運航者及び関係者(東京海上保安部、東京港管理事務所)と協議して定める。 |
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5.夜間入出港時における照明 |
1) |
在来一般船の入出港時の照明
コンテナ船岸壁の照明に準ずる次のものが設置されること。 |
(1) |
岸壁法線照明灯(アンバーライト等)の点灯 |
(2) |
倉庫の照明灯点灯 |
(3) |
岸壁の作業用照明灯の点灯(移動式も可) |
(4) |
本船船橋位置表示用の黄色回転灯の点灯(入港時のみ) |
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2) |
コンテナ船の入出港時の照明
(1) |
岸壁法線照明灯(アンバーライト)の点灯 |
(2) |
原則として、ヤードの岸壁より第一列照明灯のみの点灯 |
(3) |
ガントリー・クレーン脚部照明灯の点灯 |
(4) |
本船船橋位置表示用の黄色回転灯の点灯(入港時のみ) |
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6.曳船使用について
「曳船使用基準」による |
気象・海象状況、本船の状態、港湾事情等によっては、この基準により 難い場合がある |
7.エスコートボートの配備
港内航行中の安全対策の一環としてエスコートボートを配備することがある。 |
曳船又はパイロットボート(ボートは昼間のみ)によりエスコートする。 |
8. その他引受け基準に係わる参考事項
1) |
コンテナ船の夜間入出港に対する協力要請事項
(平成元年3月6日付、弊会東水技第17号)
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(1) |
船橋位置表示のN旗及び黄色回転灯を正しい位置に表示すること。 |
(2) |
ガントリ・クレーンは、予め接触の少ない船体中央部付近に移動しておくこと。万一励行されない場合は、引受けをお断りすることもある。 |
(3) |
前後のバースに係留している船舶との間の船間距離は、原則として30m以上確保すること。それ以下の場合は、事前にパイロットの了解を得ること。 |
(4) |
夜間入出港時には、代理店員が必ず立会うこと。 |
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2) |
在来一般船の夜間入出港に対する協力要請事項
(平成18年3月13日付弊会東水技第2006−02号参照)
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*以上励行されない場合は、引受けをお断りすることもある。 |
3) |
夜間入出港時間の遅延に伴う水先業務に対する協力と要望事項
(1) |
予定時間に変更が生じた場合は、できるだけ速やかに所定の方法に従って関係先に連絡すること。パイロット事務所と交信できない時は、東京タグセンター(電話:03−3451−1761)を通じて連絡を依頼する。又、1730時以降の時間変更は、急に申出られても手配が間に合わぬ場合が多いことをご承知願いたい。 |
(2) |
深夜におけるパイロットその他の手配変更は、極めて困難である故、できるだけ時間変更が生じないよう余裕をもって計画し予定時間を守られたい。万一、本船が荷役の都合等により出港が遅延し、他船に影響が及ぶ場合は、船社間で協議の上調整し、調整困難な場合は、予定時間に変更を起こした該当船を後回しとする。 |
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4) |
水先要請の連絡について
{配船担当直通電話:ハーバー 045-681-4081、ベイ 045-681-4091 ファックス:045-681-4090}
一貫要請船フォームを使用してファックスにて下記事項をご連絡ください。(但し、緊急の場合は電話でも可)
(1)船名 (2)総屯数 (3)多層甲板船該当の有無
(4)喫水 (5)サイド・スラスター装備の有無及びその出力(PS)(6)港外着予定日時とパイロット乗船時間
又は、出港予定日時 (7)入港時検疫の有無
(8)バース名及びビットナンバー (9)代理店発信者名及び緊急連絡先 (10)
レインボーブリッジ橋桁下を航行する船舶で通航時の橋桁下のクリアランス(余裕高)が4m以下になる場合はエアドラフト(11)その他特に指示がなければ入船係留を原則とするが、出船係留を要する場合は必ずその旨を連絡すること。
但し、バース付近の特殊事情等によりラッシュ時の出船付については、引受け時刻の変更を求めることがあり得る。 |
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5) |
前方視認距離の確保要請
船首方向の海面の見通しは、船舶の喫水・トリム及び甲板上の貨物のいかなる状態においても、船首方向から両舷に10度の範囲で船舶の長さの2倍又は500mのどちらか短い方の距離より遠方の視界が確保されていること。 |
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